外部障害とは?雇用する上で知っておくべき、障がい特性とその対処方法

外部障害とは?雇用する上で知っておくべき、障がい特性とその対処方法

外部障害は、日常生活の活動が制限される場面が多く、生活上の介助を必要とします。職場においても、あらゆる場面で介助が必要となるため、周囲の理解と協力が欠かせません。本コラムでは、外部障害の種類や、配慮すべきことについてご紹介します。

外部障害とは?

外部障害とは、先天的あるいは後天的な理由で、眼、聴覚、肢体(手足など)などにハンデを抱えている身体障がいです。内臓などの身体内部に障がいがある「内部障害」に対して、身体外部に障がいがあることから「外部障害」と呼ばれます。
 

 

外部障害の種類

外部障害の種類は、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由の大きく3つに分けられます。それぞれ、どのような特徴があるかみていきましょう。

視覚障害

視覚障害とは、視力や視野に何らかの問題があり、生活に支障をきたす障がいです。
大きく全盲、弱視、視野狭窄(見える範囲が限定されている)に分けられ、障がいの程度は人それぞれ。たとえば、弱視には、どのような場所でも視力が弱い人や、明るい場所では通常より見えやすくなる人もいます。視覚障害の方は、音声や嗅覚、触覚など、視覚以外の情報から周囲の状況を把握しており、白杖を使って生活する方も多いです。
視覚障害は、視覚のどの機能に問題があるかによって、障がいの名称が異なるため、一つずつみていきましょう。

視力障害

視力障害とは、視覚的な情報をほとんど得られない、または全く得られないなど、視力に問題がある障がいです。通常であれば、メガネやコンタクトで一定レベルまで視力の回復が可能ですが、視力障害の場合は回復が期待できません。

視野障害

視野障害とは、眼を動かさずに見える範囲が狭いというような、視野に問題がある障がいです。
視野障害の中には、不規則に見えない部分があったり、中心部分のみが見えたりするなど、人によって視野の範囲に違いがあります。なお、視野の中心部分のみが見えて視野全体が狭くなるものを求心狭窄、視野の一部分が不規則な形で狭くなるものを不規則狭窄と呼ぶのも特徴です。

色覚障害

色覚障害とは、色が通常と異なって見える障がいです。「色覚異常」という言葉が使われることもあります。色が全く区別できない訳ではなく、一定の色の区別がつきにくい方が多いです。以下が、区別がつきにくい色の組み合わせといわれています。

・茶と緑
・緑と灰色または黒
・赤と黒
・橙と黄緑
・ピンクと灰色または白
・ピンクと水色
・赤と緑
・青と紫

光覚障害

光覚障害とは、光の明るさの差を調整することが困難な障がいです。
暗順応や明順応が上手くできないために、明るい場所から暗い場所、または暗い場所から明るい場所へ移動するとうまく見えなくなります。

聴覚障害

聴覚障害とは、聴覚に何らかの問題があり、生活に支障をきたす障がいです。
聴覚障害の方は、基本的に補聴器で聴覚をサポートします。しかし、補聴器をつけても音がほとんど聞き取れない方や、音は聞こえても会話は聞き取れない方、片耳しか聞こえない方など、程度は人それぞれです。
唇の動きで表現する口話をはじめ、筆談や通訳、手話などでコミュニケーションをとって生活をしている方がほとんどといえるでしょう。
聴覚障害は、聴覚のどの機能に原因があるかによって種類が分けられます。

伝音性難聴

伝音性難聴は、外耳や中耳が正常に機能しなくなることで、音が聞こえにくくなる難聴です。
伝音性難聴の場合は、大きい音であれば聞き取れるため、補聴器を使用すれば音を聞けるのが特徴。また、治療や手術で回復する可能性があります。

感音性難聴

感音性難聴は、内耳や聴覚中枢が正常に機能しなくなることで、高音域の音が聞こえにくくなったり、同時に複数の音を聞いた際に特定の音の聞き分けが難しかったりする難聴です。
感音性難聴の場合は、補聴器を使用しても効果がない場合が多く、治療や手術での回復も難しいといわれています。

混合性難聴

混合性難聴とは、伝音性難聴と感音性難聴の両方を併せ持つ難聴です。
どちらの程度が強いかは個人差があります。混合性難聴の方は、音が小さく聞こえて聞き取りづらい場合が多いです。

肢体不自由

肢体不自由とは、怪我や病気、先天性などにより四肢、体幹の機能の一部またはすべてに何らかの問題があり日常生活に支障をきたす障がいです。
日常生活の一部である「立つ」「座る」「歩く」「物の持ち運び」「字を書く」などが困難な方や、日常生活全般で介助を必要とする方など、程度は一人ひとり異なります。また、いくつかの障がいが合併している場合も。肢体不自由の方は、車椅子や義足を必要とする方も多いです。

   

外部障害の方と働く上で必要な配慮とは

外部障害の方は、あらゆる場面で介助が必要になります。外部障害の方が安心して働ける環境を職場全体で作ることが大切です。それぞれの障がいで、特に配慮すべき点についてみていきましょう。

視覚障害

視覚に関するサポート体制を整えましょう。

PCの環境設定を整える

PCの光の加減や色など、環境設定を整えることで見えやすくなることもあります。一人ひとりに合ったPCの環境設定を見つけるために、声をかけながら見えやすさを確認しましょう。

移動時に必要な情報を事前に伝える

視覚障害の方にとって、移動には常に危険が潜んでいます。トイレやエレベーターなど、日頃使用する場所への移動の手がかりや、段差や障害物などがある危険箇所は事前に伝えておきましょう。また、職場のメンバーに対しても、移動の支障となる物を通路に置かないよう周知しておくと危険を避けられます。

こまめに休憩時間を確保する

長時間のPC操作は、健常者であっても眼に負担をかけます。視覚障害の方にとっては症状悪化につながる可能性もあるため、眼を休める時間をこまめに確保できるよう配慮しましょう。

聴覚障害

静かな環境となるよう配慮したり、コミュニケーション方法の確認が必要です。

静かな環境を確保する

聴覚障害の方の中には、音が聞き取りづらかったり、声量の調整ができなかったりする方もいます。雑音や騒音の場所は避け、静かな環境を確保しましょう。

コミュニケーション方法の確認をする

聴覚障害の方は、手話や筆談、口話、スマートフォンのアプリケーションなど、コミュニケーションの取り方は人それぞれです。事前に、コミュニケーションが取りやすい方法について、確認しておきましょう。その上で、職場でのコミュニケーション方法をメールにするのか、あるいはチャット、筆談にするのかなどを決めていくと良いです。

対話時は口元を見せる

音声で対話をする際は、口元が見えるようにして、ゆっくり、はっきりと話しましょう。聴覚障害の方は、口の動きを見て言葉を判断することもあります。手や資料などで口を隠してしまうと、口の動きが見えず、情報を拾えません。感染症が流行っている時期でマスクが必要な場合は、マウスシールドを使うなど、口元を見せられるように工夫しましょう。

肢体不自由

身体への負担がないよう、環境を整備しましょう。

机の高さの調整をする

通常の机の場合、高すぎたり、低すぎたりする場合があります。業務をしやすい高さの机を用意するなどの配慮が必要です。

勤務時間の配慮をする

肢体不自由の方は、移動に時間を要する方が多いです。長時間の立ち姿勢や運転は負担になりやすいため、混みやすい通勤・退勤ラッシュ時を避けた勤務時間にするなど、配慮しましょう。

職場のレイアウトを工夫する

車椅子を使用する方も多いため、通りやすい導線を確保した職場レイアウトにできると良いでしょう。可能であれば、スロープを作ったり、扉を自動ドアや引き戸にしたりできると、肢体不自由の方は安心できます。

   

まとめ

外部障害は、あらゆる場面で介助が必要になる障がいです。職場においても、その人の障がいに応じた工夫が必要になります。外部障害の方が安心して働けるように、職場全体で環境づくりに取り組みましょう。
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