お客さまの感動を求めて働き続けるスタッフ

お客さまの感動を求めて働き続けるスタッフ

リゾートトラストは、「障がい者雇用職場改善好事例」の奨励賞(高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞)を受賞。障がい者雇用における雇用管理の工夫や働きやすい職場にするための改善について優秀な事例として選定されました。今回、障がい者雇用の採用を担当している北沢さんにインタビューしました。

北沢さん

前職は、区立障害者就労支援センターと東京都障害者就労支援事業に従事。12年前にリゾートトラスト株式会社に障がい者雇用担当として入社。
現在は、東京・横浜事務支援センターの運営管理を行う。経営に寄与する障がい者雇用を目指し、100名近いスタッフと日々奮闘中。 

まずはじめに、リゾートトラストについて教えて下さい。

1973年創業のリゾートトラストグループは、会員権事業を核に、幅広い領域で事業を展開する企業グループです。「ハイセンス・ハイクオリティ」「エクセレントホスピタリティ」を追求する私たちの事業は、ホテルレストラン事業、ゴルフ事業、メディカル事業、シニアライフ事業など多岐にわたります。障がい者雇用は、指導が入ったことがきっかけではじまりました。

障がい者雇用の区分について教えて下さい。

現在の雇用数は86名となり、雇用の区分は、知的障がい者:71%、身体障がい者:6%、精神障がい者:23%となっています。知的障がい者が多いのは、単純な反復作業が多かったのもあり、採用をはじめました。

特例子会社を設立しなかった理由はありますか?

障がい者と健常社員を分けることはせずに、一緒の会社で同じように働くことを目標に雇用をスタートしました。管理に関しては、ホテルを運営する会社のため、パート規約で働ける部分があったりと、幅広い対応が可能です。例えば、パート規定により、勤務日(週3〜5日で選択可能)、時給(各拠点での設定評価可能)、等も幅広く対応が可能となっています。

勤務時間についても、「何時間働かなければいけない」など、規定を設けている部分はなく、あらゆるパターンで働いていただくことが可能です。

「障がい者だからこうしなくてはいけない」といった考えは、雇用開始当初からありません。そのため、体調を崩してしまったら勤務時間を短くしたり、もう少し働けそうであれば7〜8時間働いてみるなど、フレキシブルに対応をしています。

業務の切り出しについて教えて下さい。

ダイレクトメールの作成※からお願いしていましたが、それだけでは手が空いてしまうので、人事や総務から仕事を切り出してもらい、外注していた仕事を内製化していきました。
※受付や完了連絡等の他部署対応以外の全ての対応を含む。資材受入、数量確認、押印、作成準備、作成、検品、配送、保管、棚卸など

障がい者スタッフにどんな仕事を任せていいか戸惑ったり、自分たちの業務を切り出す抵抗感もありましたが、障がい者スタッフの業務の綺麗さや丁寧さが、周囲からも認められ、業務依頼も増えました。そこから口コミが広がり、「うちではこれをお願いしたい」「この作業は可能ですか」といったお声がけも多くなり、現在では200種類もの仕事が存在します。

季節にあった折り紙を作成してお子さまにプレゼントしたり、サプライズタオルアートを作成したり、手書きのお祝いのメッセージカードの作成などは、お客さまからも大変好評です。

これは、当社が2010年よりCOP10で生物多様性を伝えるために「動物おりがみ教室」を開催したことがきっかけではじまりました。事務支援センターのサポートスタッフがイベントに参加して障がい者スタッフの適性と繋げ、その後、会場になったホテルからの依頼やイベントに参加した社員からの依頼があり、今では多くのホテルが導入しています。

参照元
環境省
「COP Conference of the Parties」とは国際条約を結んだ国が集まる会議(締約国会議)のこと

雇用して良かったことを教えて下さい。

働き方改革ができたところです。障がい者雇用は、今年に入って15年間目となりますが、障がい者雇用が当たり前の風潮が出てきました。会社の中で普通にいる存在になってきているので、すごく嬉しいです。

また、「就労が難しい」と言われている、障がい者の方の業務の幅を広げることができたこと、健常者がやりたくてもできない、手の届かない業務に障がい者の方が参入できている環境が多様性に繋がっていると感じでいます。

最後に、今後の展望について教えて下さい。

会社の動きによって、障がい者雇用は右往左往する部分がありますが、その中でも障がい者の方々が活躍できる場を与えるような動き方ができるようにしていきたいです。わたしたちも「雇用率の達成」や「業務の種類を増やす」だけでなく、多角的な視線を持ちながら、動いていきたいです。

昨今は、「SDGs」といったものが注目されているので私達も「障がい者を雇用します」だけではなく、そこに連動する何かを見つけていきたいです。今後もリゾートホテル関係の仕事を増やし、東京・横浜・名古屋だけではなく、全国展開が目標です。また、地方での障がい者雇用についても力を入れていきたいと思います。

 

ワークリアとは

ワークリアは、障がい者専門の人材紹介サービスと障がい者雇用にまつわるコンサルティングサービスを運営しております。
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