長期的なキャリア形成が叶う新しい障がい者雇用を目指して |株式会社グリムス

長期的なキャリア形成が叶う新しい障がい者雇用を目指して |株式会社グリムス

2005年に設立され、中小企業向けに電力コストを削減するエネルギーコストソリューション事業を中心に展開しているグリムス株式会社。一人ひとりの障がい特性に合わせた配置で細やかなサポートをしながら戦力化されています。今回は、障がい者雇用の採用を担当している担当者様と中村さんにインタビューしました。

採用課題

・障がい者雇用において、初めて長期的なキャリア形成を視野に入れて、間接部門の方を採用するにあたり、受け入れのノウハウが不足

効果

・求める人物像を明確にしたうえで、ワークリアを通じて3年間で3人のスタッフを採用
・ワークリア担当者との定期的な面談を通じて、採用後に発生する問題を都度解決。スタッフの長期就業やスキルアップが叶っている

会社概要

2005年に設立され、中小企業向けに電力コストを削減するエネルギーコストソリューション事業を中心に展開。2011年に持株会社制へと移行し、現在はエネルギーコストソリューション事業、スマートハウスプロジェクト事業、小売電気事業を展開する4つの事業会社(株式会社GRコンサルティング、株式会社グリムスパワー、株式会社グリムスエナジー、株式会社グリムソーラー)を保有している。
HP:https://www.gremz.co.jp/#/

お話を伺った方


人事部採用チーム 企業担当者様より

教育にリソースを投資し、障がい者スタッフのスキルアップが実現できる体制へ

――これまでにどんな採用課題がありましたか?

もともとワークリアのサービスを利用する前から障がい者雇用自体は行っていましたが、簡単な業務をお任せする役割の方を受け入れた経験しかありませんでした。というのも、以前は仙台にあるサテライトオフィスで採用し、東京本社から遠隔で教育していたため、障がい者雇用のスタッフにお願いできる業務は難しくないものに限られてしまっていたんです。

ただ、地方採用では管理がしづらいうえ、業務の幅が広がらず、スタッフ自身のスキルアップやキャリア形成にもつながりません。そこで、今後は東京本社での採用に切り替え、対面で教育することで、長期的なキャリア形成も図れる少し難しめの業務をお任せできるようにしていこうということになりました。

いざ、東京本社で採用を進めていこうと思ったときに、どんな方に何の業務をお任せしたらいいのか悩みました。一口に「障がい」といっても、身体障がい、知的障がい、精神障がいと、さまざまな種類があります。当社の本社ビルがバリアフリーに対応していないことを考慮すると、「発達障がいを含む精神障がいを抱えている方」に「人事部・総務部などの間接部門の仕事」をお願いすることが現実的だと考えました。しかし、当社としては初めての試みのため、採用や受け入れのノウハウがなく、どのように進めればいいか分からないことが課題でした。

――そこから、ワークリアのサービスを利用するに至るまでの経緯を教えてください。

もともと、人事部でレバレジーズの新卒・中途の人材紹介のサービスを利用していたので、レバレジーズ自体になじみはありました。レバレジーズのワークリアから紹介される方は職業訓練を受けていると聞き、一から採用するよりも、教育がしやすいと思い、サービスを利用することにしました。

採用後の手厚いフォローで、専門知識を求められる問題にも柔軟に対処できた

――ワークリアのサービスを利用したことで、どんな効果が得られましたか?

希望に合う方の採用が実現できたと思います。当社はやみくもに障がい者雇用の枠を埋めようとして採用しているわけではなく、スタッフのスキルアップやキャリア形成につながる仕事、かつ間接部門の中でも必要とされる役割を明確にしたうえで、採用を行っていました。そのため、ワークリアの担当者にも「どんな役割のどんな方が欲しいか」を細かく伝えたうえで、それに合う方を紹介してもらうようにしていました。

結果、2018年からの約3年間で3人の方を採用することができました。

――3人の方の仕事内容や働きぶりについて教えてください。

1人目に採用したのは、車椅子が必要ない軽度の身体障がいの方です。業務管理部において営業アシスタントの仕事をお願いしており、契約書に不備がないかの確認やお客さまへの連絡、契約から入金完了までのサポートなどを行ってもらっています。もちろん時には失敗することもありますが、3人の中でも一番他部署との連携が必要な部署で、うまくコミュニケーションを取りながら仕事をこなしていると感じますね。

あとの2人はいずれも精神障がいの方です。1人は人事部で労務のサポートとして、勤怠関連の対応をお任せしています。特性上、ルーティンワークや正確さを求められる仕事が得意な方なので、スピードよりは、とにかくミスなく正確に仕事をすることが大事な労務に適任だと思っています。最後の1人は人事部で採用のサポートをする役割の方です。面接のために来社する方の検温やご案内をメインで行ってもらっています。時期によって気分の浮き沈みはあるものの、人当たりが良くて丁寧に案内をしてくれるので、周りからの評判は抜群です。適材適所という言葉があるように、皆、それぞれの長所を活かせる場所で活躍しています。

――障がい者スタッフを受け入れるにあたって、工夫していることは何でしょうか?

まず、採用担当者にできることとしては、それぞれの人の「できないこと」を明確にして現場の上長に伝えておくことです。たとえば、人事部管轄外で採用した軽度の身体障がいの方の場合、重い物を持つのは難しいことを、業務管理部の上長にはあらかじめ話していました。それぞれの方の特性は個人情報でもあるので、部署全員に共有する必要はなく、スタッフをフォローする役割の人間が知っていれば十分だと思っています。

受け入れる現場側にできることは、日々コミュニケーションを取り、スタッフがどれくらいのタスクを抱えているのか確認してこまめにフォローすることです。付きっきりでフォローするのは難しいので、LINEで日報を送信してもらい、状況を把握できるようにしています。日報を送ってもらうときは、その日の業務内容だけではなく、業務で困ったことや発見したこと、プライベートの話など何か1つトピックを入れてもらうようにしています。そうすることで、スタッフの体調や気分の変化に気付きやすくなりますし、会ったときにコミュニケーションを取るきっかけにもなっています。

とはいえ、本人の負担になりそうなことを全部取り除いてストレスをゼロにするのが、必ずしも本人のためになるとは思いません。成長のためには壁にぶつかって乗り越える経験も必要です。ストレスが体調不良につながってしまわないようにフォローはしつつ、いろんな経験を積んでいくチャンスは与えていけるように気を付けていますね。

――ワークリアからの採用後のサポートはいかがでしたか?

採用後、ワークリアの担当者と定期的に面談を設定してもらっていたので、どうしたらいいか分からない時期にはずいぶん助けられました。通常、面談は採用から半年後までということでしたが、その後も何かあったときは柔軟に相談に乗っていただいていました。

たとえば、精神障がいの方は時期によって、どうしてもメンタルが落ち込んで休みがちになってしまうことがあります。そういうときのフォローの仕方を教えてもらったり、困ったときに本人をサポートしてくれる自治体の部署を紹介してもらったりしました。障がい者スタッフの対応では専門知識が必要なこともあるので、採用後のサポートが受けられるのはサービスを利用する一番のメリットだと思いますね。

グループ一体となり、さらなる障がい者雇用の推進に取り組み続ける

――今後、スタッフのキャリア形成にどのように取り組んでいきますか?

2022年度中を目途に、障がい者スタッフに対する評価制度を整備しているところです。以前採用していたスタッフには簡単な作業レベルの仕事しかお願いしていなかったので、評価制度は作っていませんでした。

今回東京本社で採用したスタッフには、少し難しめの仕事も安定してお任せできるようになったこともあり、長期的なレベルアップの指標として制度が必要になりました。今どの段階にいるのか、どうすれば次の段階にステップアップできるのかが明確になれば、指導者側も指導しやすくなります。さらに、スタッフとの間に「このレベルを目指そう」という共通認識が生まれて、スタッフのモチベーションもアップします。長期的なキャリアパスを描けるようになれば、長く当社で活躍してもらえることにつながると思っています。

――今後の障がい者雇用の展望について教えてください。

グループ会社では、新たに数人の障がい者雇用が必要なので、今採用を進めているところです。今後もワークリアを活用しつつ、グリムスグループ全体で障がい者雇用を推進していきたいと考えています。

現場スタッフの声


中村 寧洋(なかむら・やすひろ)様
人事部・採用チーム

――今の業務内容を教えてください。


現在は、人事部で採用活動のサポートを行っています。具体的には、面接で来社した方の受付・ご案内や担当者への引き継ぎ、会議室の予約、新卒者用のセミナー資料の発送など、幅広い業務に対応しています。

――ワークリアで学んだことを今の業務にどう活かしていますか?


ワークリアで職業訓練を受けるメンバーのリーダーとして周りをサポートしていた経験を活かし、相手の気持ちに寄り添った対応を心がけています。たとえば、面接で来社する方の緊張を少しでも和らげられるよう、ご案内するときに一言二言でも会話するようにしています。

ワークリアとは

ワークリアは、障がい者専門の人材紹介サービスと障がい者雇用にまつわるコンサルティングサービスを運営しております。
障がい者採用にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。