フルリモート雇用の決断により、障がい者雇用数を62名まで拡大

フルリモート雇用の決断により、障がい者雇用数を62名まで拡大

「成長」と「挑戦」を望む人達のために、実現出来る環境を創っているディップ株式会社。ディップ株式会社ではビジネスサポート室という部署で、障がい者をフルリモートで雇用しています。フルリモートで雇用した経緯や障壁について、障がい者雇用の採用を担当している朝日様、井上様にインタビューしました。

朝日様

人事総務本部人事企画室所属
移行支援事業所、特例子会社での就業経験を経て2019年12月にディップ株式会社に入社。サテライトオフィスの立ち上げに携わり、後に在宅就業のシステムを構築。現在はビジネスサポート室の運営や採用、定着を担当。

井上様

人事総務本部人事企画室所属
福祉業界にて相談業務や障がい者の就労支援の経験を経て、2021年10月にディップ株式会社に入社。現在、人事企画室兼ビジネスサポート室に所属し、障がいのある従業員の採用や入社後の管理・サポート業務を担当。

障がい者雇用開始の経緯を教えてください。

当社では、毎年多くの新卒を採用しており、会社の規模も徐々に大きくなっていることから、2006年から障がい者雇用を開始しました。2021年にテレワークでの採用を開始したことをきっかけに、障がい者社員数が急増しました。

フルリモート雇用の経緯について教えて下さい。

雇用開始当初は、部署配置型での採用を行っていましたが、各部署に採用を委ねると採用に求める基準が上がりやすく年間で1〜2名しか受け入れることができない体制でした。そのため、雇用数を拡大するために採用のあり方を見直すことを目的に、サテライトオフィスを新設しました。サテライトオフィスを新設した当時は3名の採用からスタートしました。

採用当時、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、一時的にテレワークを開始しています。当時採用した3名には「出社をしたい」と言われていましたが、世間的に出社が難しいこともあり、テレワークでの業務をお願いしました。

3名のテレワークがうまくいったこともあり、パソコンスキルに特化した人材を採用していけば、フルリモートで雇用しても問題なさそうだったので、フルリモートでの雇用を開始しました。

はじめは、特定のパソコンスキルがある人を採用基準にしていました。現在は充足していることもあり、徐々に求めるレベルを上げている形です。それに伴い、PCスキルに自信のある方が応募してくれています。

サテライトオフィスを新設したものの、フルリモート雇用に変えた理由を教えて下さい。

3名の社員が、問題なくフルリモートできたことが大きかったです。問題なく業務が遂行できるのであれば、オフィスを構える必要はなく、フルリモートで採用を行えばいいのかなと。当社では、すべてのシステムがリモート環境でも使用できるものなので、体制やシステムを変えなくてはいけないものはありませんでした。

当時、フルリモート採用はめずらしかったのか応募が殺到したため、採用に困ることはありませんでした。それ以降、フルリモートでの採用活動を続けています。「働きたくても、電車に乗れないから働けない」といった方からの応募が多くありましたね。

応募者が集まるようになってきてから、採用基準の変更はありましたか?

現在は、ひとりでパソコンが使用できる方、自分から相談などを発信できる方を採用しています。パソコンのスキル面では、基本操作が出来るのかを見ています。当社では、オンラインツールを使用して面接を実施していますが、面接画面に入れる人・入れない人で分かれます。オンラインツール以外での面接や面談は、一切行っていません。

テレワークでの雇用は身体障がい者が多いと思われますが、当社では障がい区分について特に決めておりません。応募していただいた方の人となりや、今までの経験をもとに採用をしています。

フルリモート雇用での障壁があれば教えて下さい。

全国各地に社員がいるので、例えば、「沖縄にいる社員が就業中に具合が悪くなってしまったらどうしよう」のような、心配事はたくさんありました。

緊急連絡先を必ず会社で把握し、緊急連絡先に登録されてる方には事前に、対象者に何かあった時は、会社から協力を依頼する場合がある、というのをご理解いただいてます。また、支援機関さんと定期的に情報共有を行い、「この人こんな仕事で頑張ってくれてます」のような形で、連携を取ったりしています。

面接時には支援機関さんに登録しているか・していないかの確認も行います。緊急対応のフローチャートも作成し、「何時間以内に連絡が取れない場合はこのように対応する」など、細かく時間も決めました。フローチャートを作成することで、イレギュラー対応が起きても慌てずに行動できます。

障がい者を雇用してよかった点を教えて下さい。

他部署の方々が障がい者社員たちに業務を切り出すことで、新しくなにかをはじめるためのアイデアを創出する時間に使ってもらえることが嬉しいですね。実際に業務を切り出してもらった部署の方から、「部署内でいい刺激になった」や「障がい者社員の頑張りを見て元気をもらえます」といったお声がけも多くいただきます。

また、一般社員の障がい者の方に対する偏見がなくなること・イメージが変わることはすごく嬉しいです。一般社員も、障がい者の方と触れ合う機会はなかなか少ないのかなと。会社のちょっとしたきっかけで、触れ合える機会が創出されることは、お互いにとって良い影響になると思っています。

最後に、今後の展望を教えて下さい。

ビジネスサポート室のあり方を変えていきたいです。現在は業務を都度切り出してもらい、それをビジネスサポート室で対応している形式を取っています。ただ、理想的な障がい者雇用のあり方とは、障がい者社員が一般社員との垣根なく、いろいろな部署で働いてもらうことだと思っています。入社してから、まず初めはビジネスサポート室で雇って会社のシステムや社風に馴染むための役割を担い、部署に送り出すそのような体制にしたいと思っています。

ワークリアとは

ワークリアは、障がい者専門の人材紹介サービスと障がい者雇用にまつわるコンサルティングサービスを運営しております。
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