障がい者雇用とは?一般雇用との違いを人事担当者向けに解説
2021/11/02
障がい者雇用と一般雇用の違いをなんとなく理解していても、具体的な違いはわからないという人事担当者もいるのではないでしょうか?このコラムでは、障がい者雇用と一般雇用の違いについて解説しつつ、障がい者雇用を始めるにあたって必要な準備もご紹介します。
障がい者雇用とは?
障がい者雇用とは、事業主や自治体などが、障害者雇用率制度の採用枠内で障がい者を雇用することです。
障がい者雇用の目的
障がい者は、健常者と同じ採用枠で就職活動をすると、不利になる恐れがあります。そこで、障がい者が個々の能力や特性に応じて、健常者と同様に働ける環境が求められるようになりました。障がい者と健常者との障壁を取り除き、障がい者の職業の安定を図るために、障がい者雇用枠が設けられています。
障がい者雇用の対象者
障がい者雇用は、原則障害者手帳を取得している人が対象です。
障害者手帳とは、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種の手帳を指し、いずれの手帳をお持ちの方でも、障がい者雇用枠で採用することができます。
一般雇用との違い
障がい者雇用は、一般雇用にはないルールがいくつかあります。障がい者雇用を進めている途中で気付くことがないように、事前に確認しておきましょう。
一般雇用にはないルール
1.法定雇用率
法定雇用率とは、常用労働者のうち雇用しなければならない障がい者の割合のことです。令和3年3月1日に法定雇用率の改正があり、民間企業では2.2%から2.3%に引き上げられました。(参考:厚生労働省発表)
法定雇用率は、障がい者雇用を進める上で重要な指標となるため、厚生労働省のWebサイトなどで詳しく調べておきましょう。
2.ペナルティ
障がい者雇用では、法定雇用率を達成していないとペナルティが発生します。
雇用する従業員の障がい種別や程度によっては、特別な配慮を必要とする場合もあるため、法定雇用率を達成していない企業にペナルティを設けることで均衡を保っています。
具体的には、障害者雇用納付金、追徴金、障害者雇用計画の命令、勧告、特別指導、企業名公表などです。
3.助成金制度
障がい者を雇用すると助成金を受け取ることができます。障がい者を雇用するには、働きやすい環境を整える必要があります。助成金制度を設けることで、企業にかかるコストを軽減し、障がい者の新規雇用や雇用継続を促進する目的があります。助成金には様々な種類があるため、厚生労働省のWebサイトで確認しておきましょう。
障がい者雇用を始めるにあたって
障がい者雇用と一般雇用の違いは理解したものの、何から始めれば良いか分からない方もいると思います。ここからは、障がい者雇用を始めるにあたってやるべきことをご紹介していきます。
ハローワークに相談する
何から手を付けて良いのかわからないという方は、まずはハローワークに相談してみましょう。ハローワークは、障がい者雇用を検討する企業の相談も受け付けているため、今後の流れのアドバイスをもらえます。
その後も求人掲載が可能なため、障がい者雇用を始めることが決まった際は、ハローワークに相談することがオススメです。
自社状況を把握する
法定雇用率を満たすためには、自社状況を把握する必要もあります。自社の全従業員数、雇用障がい者数を把握していないと、法定雇用率の達成度がわからないため、自社状況を把握しておくことは必須です。
社内理解の推進
障がい者雇用で多くの企業が頭を悩ませるのが、障がい者雇用に対する社内理解です。障がい者雇用を始めてみたものの、社内で理解してもらえず、苦戦しているという企業は多くあります。社内理解が得られていないと、業務の切り出しにも苦労し、序盤からつまずいてしまいます。
障がい者雇用を始める前の段階で、社内に会社の方針や障がい者雇用の必要性を共有したり、研修を行ったりするなど、事前に準備を進めておくとよいでしょう。
いかに社内理解を得られるかが、障がい者雇用成功の鍵です。
任せる仕事内容を決める
障がい者を採用できても、任せる仕事がなくては雇用を維持することができません。事前に任せる仕事内容を決めておきましょう。
障がい者雇用では、他部署との連携が欠かせません。各部署と相談しながら、任せる業務を切り出していきましょう。
採用計画を立てる
障がい者雇用も、一般雇用と同様に採用計画を立てて目標を明確にしておきます。法定雇用率を達成できる人数を把握するところから始めましょう。採用計画を立てないまま始めると、「いつまで経っても法定雇用率を達成できない」ということになりかねないため、事前準備は欠かせません。
まとめ
障がい者雇用は、一般雇用と違い、法定雇用率や助成金制度など、ルールがたくさんあります。知らないまま障がい者雇用を放置してしまうと、後になって問題になりかねません。本記事では、特に知っておいた方が良いルールについてご紹介しましたが、障がい者雇用には他にもたくさんのルールがあります。ワークリアでは、障がい者雇用に関するお悩みや雇用後の体制構築など、企業様に向けたサポート全般を行っています。何から始めればいいかわからない企業様へも、0からサポートいたしますのでご安心ください。障がい者雇用に関してお困りの企業様は、まずはお気軽にお問合せください!
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