2021.11.04
2021.11.04
「トライアル雇用助成金」をご存知ですか?トライアル雇用の対象労働者には、障がい者も含まれており、「障害者トライアル雇用」と呼ばれることもあります。このコラムでは、障がい者に関わるトライアル雇用助成金についてご紹介します。
目次
トライアル雇用とは、原則3ヶ月の試用期間を設けて雇用し、事業主と求職者の双方が合意のもとで本採用が決定する雇用方法です。試用期間に求職者の適性や能力を見極めることで、継続雇用のミスマッチを防ぎ、早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。
トライアル雇用助成金とは、事業主等が、職業経験の不足等により就職が困難な求職者を一定期間試行雇用した場合に支給される助成金です。
障がい者雇用に関わるトライアル雇用助成金のコースは、「障害者トライアルコース」「障害者短時間トライアルコース」の2つがあります。それぞれどのような内容なのでしょうか。
障害者トライアルコースは、事業主等が、ハローワークなどで紹介された障がい者を原則3ヶ月試行雇用することで助成されるコースです。
障害者トライアルコースの対象労働者は、以下の⑴全て、かつ⑵のいずれかに該当する必要があります。
⑴
・継続雇用する労働者としての雇い入れを希望している者
・障害者トライアル雇用制度を理解している者
・障害者トライアル雇用による雇い入れを希望している者
⑵
・紹介日において就労経験がない職業に就くことを希望している者
・紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある者
・紹介日前において離職している期間が6ヶ月を超えている者
・重度身体障がい者、重度知的障がい者、精神障がい者
受給するためには、上記に当てはまる対象労働者を以下の条件のもと雇い入れる必要があります。
①ハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介により雇い入れること
②障害者トライアル雇用等の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと
上記以外にも雇用関係の助成金に共通の要件や、受給できない場合の条件もあります。詳細は、厚生労働省が作成した資料をご確認ください。
障害者雇用トライアルコースの支給額は、トライアル雇用開始日から支給対象労働者1人につき以下のとおりです。
身体障がい者、知的障がい者等:月額最大4万円(最長3ヶ月間)
精神障がい者:月額最大8万円×3ヶ月+月額最大4万円×3ヶ月(最長6ヶ月間)
参照元
厚生労働省
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
障害者短時間トライアルコースは、障害者雇用トライアルコースと同様に、事業主等がハローワークなどで紹介された障がい者を原則3ヶ月試行雇用することで、助成されるコースです。ただし、以下の内容を目指したコースである点が異なります。
・雇い入れ時の週の所定労働時間を10時間以上20時間未満とする
・障がい者の職場適応状況や体調等に応じて、同期間中に所定労働時間を20時間以上とする
障害者短時間トライアルコースの対象労働者は、以下全てに該当する必要があります。
・精神障がい者または発達障がい者
・継続雇用する労働者としての雇い入れを希望している者
・障害者短時間トライアル雇用制度を理解している者
・障害者短時間トライアル雇用による雇い入れを希望している者
受給するにためには、上記に当てはまる対象労働者を以下の条件のもと雇い入れる必要があります。
①ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
②3ヶ月から12ヶ月間の短時間トライアル雇用をすること
障害者短時間トライアルコースの支給額は、トライアル雇用開始日から支給対象労働者1人につき以下のとおりです。
月額最大4万円(最長12ヶ月間)
参照元
厚生労働省
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、テレワークや休業を行う企業が増加しました。コロナ禍でも障がい者雇用を安心して続けられるように、新たな措置がとられています。
障がい者のテレワークを推進するため、令和3年4月1日より、障害者トライアル雇用制度が拡充されました。
拡充により、テレワーク勤務を行う場合は、原則3ヶ月のトライアル雇用期間を最長6ヶ月まで延長可能です。
ただし、以下の点に気を付けましょう。
①精神障がい者は対象外
現行でも最大12ヶ月まで延長可能なためです。
②「テレワーク勤務」の定義を満たしている
対象労働者が情報通信技術を活用して勤務している1週間の所定労働時間が、2分の1以上である場合に「テレワーク勤務」と判断されます。
③支給額の変更はなく、期間延長分の支給はない
身体障がい者、知的障がい者等:月額最大4万円×最大3ヶ月
精神障がい者:月額最大8万円×3ヶ月+月額最大4万円×3ヶ月
詳細は、厚生労働省の資料でご確認ください。
令和3年時点では、新型コロナウイルスの影響で休業した場合、トライアル雇用期間を変更できる特例があります。
休業中の勤務予定日を除き、終了予定日の翌日以降に追加することができる特例です。ただし、トライアル雇用を既に終了している場合は対象外のため注意しましょう。
トライアル雇用期間を変更するための必須要件は、以下のとおりです。
①令和2年4月1日~令和3年11月30日の間にトライアル雇用期間が含まれていること
②上記期間中に新型コロナウイルスの影響で対象労働者を休業させたこと
③休業により、対象労働者の適性の見極めが難しくなったこと
④トライアル雇用期間の変更について労働者との合意があること
詳細は、厚生労働省の資料でご確認ください。
障害者トライアル雇用は、継続雇用のミスマッチを防ぐ以外にも、助成金の受給により採用コストが抑えられるというメリットがあります。また、本採用前に必要な配慮や任せられる業務の見極めがじっくりとできるため、事業主も障がい者もお互いが安心して働きやすくなるはずです。障がい者雇用を進めるにあたり、活用してみてはいかがでしょうか。
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