法定雇用率引き上げに向けた準備状況は二極化、達成企業の 「特定短時間労働者」雇用率は未達成企業の約3.5倍に

法定雇用率引き上げに向けた準備状況は二極化、達成企業の 「特定短時間労働者」雇用率は未達成企業の約3.5倍に

レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア( https://worklear.jp/)」は、2026年7月に予定されている法定雇用率の2.7%引き上げ、および雇用義務対象企業の拡大(従業員数37.5名以上)を目前に控え、従業員数37.5名以上の企業において障がい者雇用実務に関与している担当者555名を対象に、障がい者雇用における実態調査を実施しました。

目次

1.すでに2.7%を達成している企業の約6割が「社内研修・啓発」に注力。達成困難企業と20pt以上の差

 前編の調査結果*1のとおり、2026年7月に適用される「法定雇用率2.7%」を「既に達成している」と回答した企業は28.3%に留まりました。「7月までに達成見込み(35.9%)」を含めた一定の見通しがある企業が存在する一方で、約5社に1社(18.4%)は「達成は困難」と回答しており、企業の準備状況は二極化していることがわかります。

*1 2026年6月公開のワークリア調査「【前編】法定雇用率2.7%引き上げに向けた企業の障がい者雇用実態調査」( https://prtimes.jp/main/
html/rd/p/000000949.000010591.html

法改正施行にあたり、注力または検討している施策について聞いたところ、最も多かったのは「社内研修・啓発(42.0%)」でした。次いで、ほぼ同率で「採用する障がい種別の拡張(41.8%)」「新たな業務の切り出し・創出(41.8%)」と続きます。

この結果を法定雇用率2.7%の達成状況別にみると、「2.7%達成企業」において最も多くの企業が注力している施策は「社内研修・啓発(56.7%)」で、約6割にのぼりました。「達成は困難」と回答した企業とは、約23ptの乖離が生じていることがわかります。「7月までに達成見込み」「今年度中には達成見込み」の企業における注力施策は「採用する障がい種別の拡張」が最多で、それぞれ約半数の企業が注力、あるいは今後注力する予定である*2ことが見受けられます。

*2 「7月までに達成見込み」企業のうち51.8%、「今年度中には達成見込み」企業の45.4%が「採用する障がい種別の拡張」に注力と回答

こうした施策を推進するにあたり、社内リソースの観点で「壁(不足しているもの)」と感じているものについて聞いたところ、「特に不足しているものはない(9.2%)」と回答した企業は1割未満に留まり、9割以上の企業が社内リソース不足に直面していることが明らかになりました。
具体的な障壁については、「専門的なノウハウ・知見の不足(50.5%)」と「現場(配属先)の受入キャパシティ不足(50.1%)」が共に5割を超えて上位に並びました。さらに「人手や担当者の工数不足(42.3%)」が続きます。

多くの企業が障がい者雇用推進に向けて施策を実施・検討しつつも、社内のノウハウ不足や現場の受け入れ限界、そして担当者のリソース不足という「壁」に直面し、思うように進められていないジレンマを抱えている実態が見受けられます。

2.達成企業の6割以上が「特定短時間労働者」の雇用制度を活用、未達成企業の約3.5倍の活用率

 2024年4月1日以降、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の「特定短時間労働者」に該当する障がい者の一部について、新たに法定雇用率への算定が可能となりました*3。この制度に関する認知度は97.1%にのぼり、企業における関心の高さがうかがえます。

実際の導入状況については、すでに2.7%を達成している企業では64.3%が「雇用している」と回答しました。一方で、「2.7%の達成見込みが立っておらず困難である」と回答した企業における導入率は18.6%に留まり、達成企業との間で約3.5倍の活用率の差が生じていることがわかります。

*3 特定短時間労働者の算定特例について
2024年4月1日の法改正により、精神障がい者、重度知的障がい者および重度身体障がい者の「特定短時間労働者(週所定労働時間10時間以上20時間未満)」について、1人あたり「0.5人」として法定雇用率に算定できるようになった。
引用:厚労省,特定短時間労働者の雇用率算定について
https://www.mhlw.go.jp/
content/11704000/001049750.pdf