2026.08.20
2026.08.20

レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア( https://worklear.jp/)」は、2026年7月に予定されている法定雇用率の2.7%引き上げ、および雇用義務対象企業の拡大(従業員数37.5名以上)を目前に控え、従業員数37.5名以上の企業において障がい者雇用実務に関与している担当者555名を対象に、障がい者雇用における実態調査を実施しました。
目次
前編の調査結果*1のとおり、2026年7月に適用される「法定雇用率2.7%」を「既に達成している」と回答した企業は28.3%に留まりました。「7月までに達成見込み(35.9%)」を含めた一定の見通しがある企業が存在する一方で、約5社に1社(18.4%)は「達成は困難」と回答しており、企業の準備状況は二極化していることがわかります。
*1 2026年6月公開のワークリア調査「【前編】法定雇用率2.7%引き上げに向けた企業の障がい者雇用実態調査」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000949.000010591.html )法改正施行にあたり、注力または検討している施策について聞いたところ、最も多かったのは「社内研修・啓発(42.0%)」でした。次いで、ほぼ同率で「採用する障がい種別の拡張(41.8%)」「新たな業務の切り出し・創出(41.8%)」と続きます。
この結果を法定雇用率2.7%の達成状況別にみると、「2.7%達成企業」において最も多くの企業が注力している施策は「社内研修・啓発(56.7%)」で、約6割にのぼりました。「達成は困難」と回答した企業とは、約23ptの乖離が生じていることがわかります。「7月までに達成見込み」「今年度中には達成見込み」の企業における注力施策は「採用する障がい種別の拡張」が最多で、それぞれ約半数の企業が注力、あるいは今後注力する予定である*2ことが見受けられます。
こうした施策を推進するにあたり、社内リソースの観点で「壁(不足しているもの)」と感じているものについて聞いたところ、「特に不足しているものはない(9.2%)」と回答した企業は1割未満に留まり、9割以上の企業が社内リソース不足に直面していることが明らかになりました。
具体的な障壁については、「専門的なノウハウ・知見の不足(50.5%)」と「現場(配属先)の受入キャパシティ不足(50.1%)」が共に5割を超えて上位に並びました。さらに「人手や担当者の工数不足(42.3%)」が続きます。
多くの企業が障がい者雇用推進に向けて施策を実施・検討しつつも、社内のノウハウ不足や現場の受け入れ限界、そして担当者のリソース不足という「壁」に直面し、思うように進められていないジレンマを抱えている実態が見受けられます。
2024年4月1日以降、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の「特定短時間労働者」に該当する障がい者の一部について、新たに法定雇用率への算定が可能となりました*3。この制度に関する認知度は97.1%にのぼり、企業における関心の高さがうかがえます。
実際の導入状況については、すでに2.7%を達成している企業では64.3%が「雇用している」と回答しました。一方で、「2.7%の達成見込みが立っておらず困難である」と回答した企業における導入率は18.6%に留まり、達成企業との間で約3.5倍の活用率の差が生じていることがわかります。
障がい者雇用の推進における人材紹介やコンサルティング、定着支援サービスなどの「外部支援サービス」の活用状況について、約4割が「活用している(37.1%)」と回答しました。「現在は活用していないが、活用を検討している(42.9%)」という回答も4割以上にのぼり、全体の8割近くが外部支援に対して前向きな意向を持っていることがうかがえます。法定雇用率2.7%の達成状況別で見ると、「2.7%達成企業」においては、半数以上の企業が「現在活用している(53.5%)」と回答しました。
「外部支援サービス」を活用している理由に関して、最も多かったのは「人事担当者のリソース(時間・人員)が不足しているため(64.0%)」でした。「社内に専門的なノウハウがないため(42.3%)」も上位に挙がっています。
「障がい者社員が業務においてAIツール(生成AIなど)を活用しているか」聞いたところ、約7割の企業が「活用している(67.3%)*4」と回答しました。
障がい者雇用においてAIツールの活用を導入した結果、「(見られた効果は)特にない(1.0%)」の回答を除き、ほぼ全企業が何らかの効果を感じていることがわかりました。
具体的な効果については、「生産性全体の向上(51.1%)」が最多となり、次いで「業務スピードの向上(48.9%)」「作業精度の向上(ミスの削減)(46.3%)」と続きます。また、障がい者社員本人の業務パフォーマンス向上だけでなく、「コミュニケーション負担の軽減(43.0%)」や「マネジメント工数の削減(13.6%)」といった、受け入れ側・管理側の負担軽減に繋がる効果も見られました。
本調査では、2026年7月の法改正を前に「すでに2.7%を達成している企業」と「そうではない企業」の間で、取り組みの二極化が進んでいる実態が明らかになりました。すでに法定雇用率を達成している企業は、「特定短時間雇用の活用」「外部支援サービスの導入」など、自社の状況に合わせて柔軟に運用している実態がうかがえます。
専門的なノウハウや人員が不足している企業にとって、自社だけで法改正への対応や環境整備を進めるのは容易ではありません。一方で、外部にすべてを委ねる「丸投げ」の状態では、社内の理解や受け入れ体制が育たず、結果として法定雇用率という「数値目標の達成」だけを目的にした一時的な雇用になりかねません。
重要なのは、最初から完璧な体制を目指すことではなく、外部のプロフェッショナルやテクノロジーを上手く頼ることで、まずは担当者や現場の「リソースのゆとり」を確保することです。そうして生まれた時間とノウハウを少しずつ社内研修や環境整備へと還元しながら、自社ならではの受け入れ土壌を無理なく整えていくアプローチが求められます。この好循環を作ることこそが、担当者のリソース不足や現場の「DEI疲れ*5」を抑え、定着を見据えた持続可能な障がい者雇用に繋がっていくのではないかと考えております。
ワークリアは、障がい者専門の人材紹介サービスと障がい者雇用にまつわるコンサルティングサービスを運営しております。
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